Rust by Example

14.4.1 明示的アノテーション

借用チェッカーは参照がどれだけの間有効かを決定するために、明示的なアノテーションを使用します。ライフタイムが省略1されなかった場合、Rustは参照のライフタイムがどのようなものであるか、明示的なアノテーションを必要とします。

foo<'a>
// `foo`は`'a`というライフタイムパラメータを持ちます。

クロージャと同様、ライフタイムの使用はジェネリクスを必要とします。もう少し詳しく言うと、この書き方は「fooのライフタイムは'aのそれを超えることはない。」ということを示しており、型を明示した場合'a&'a Tとなるということです。

ライフタイムが複数ある場合も、同じような構文になります。

foo<'a, 'b>
// `foo` has lifetime parameters `'a` and `'b`
// `foo`は`'a`と`'b`というライフタイムパラメータを持ちます。

この場合は、fooのライフタイムは'a'bいずれよりも長くなってはなりません。 以下はライフタイムを明示的に書く場合の例です。

// `print_refs`は`i32`への参照を2つとり、それぞれ`'a`と`'b`という // ライフタイムを持つ。これらのライフタイムは最短でも`print_refs` // 関数と同じになる。 fn print_refs<'a, 'b>(x: &'a i32, y: &'b i32) { println!("x is {} and y is {}", x, y); } // 引数を取らないがライフタイムパラメータ`'a`を持つ関数。 fn failed_borrow<'a>() { let _x = 12; // エラー: `_x`の寿命が短すぎる。 //let y: &'a i32 = &_x; // `&_x`のライフタイムは`y`のそれよりも短いため、関数内で`'a`を使用して // 変数のライフタイムを指定しようとすると失敗する。つまり、短いライフタイム // を持つ参照をより長いものに強制的に代入することはできない。 } fn main() { // 下で借用するための変数を作成 let (four, nine) = (4, 9); // 2つの変数の借用(`&`)が関数に渡される。 print_refs(&four, &nine); // 借用された変数の寿命は、借り手のそれよりも長くなくてはならない。 // つまり、`four`、`nine`のライフタイムは`print_refs`のそれよりも // 長くなくてはならない。 failed_borrow(); // `failed_borrow`は関数のライフタイムよりも`'a`を長くさせるような // 参照を持たないが、それでも`'a`のほうが長くなる。なぜならそのような // 場合`'a`はデフォルトで`'static`になるからである。 }
1. 省略 はライフタイムが暗黙のうちに(プログラマから見えない形で)アノテートされることを指します。

See also:

ジェネリクスクロージャ