Rust by Example

17.5 Result

これまでの例で、失敗する可能性のある関数の返り値として、列挙型Optionが使用でき、失敗時の返り値にはNoneを用いることを見てきました。しかし、時にはなぜそのオペレーションが失敗したのかを明示することが重要な場合があります。そのためにはResult列挙型を使用します。

列挙型Result<T, E>は2つの値をとりえます。

  • Ok(value) ... これはオペレーションが成功したことを意味し、返り値valueをラップします。(valueは型Tを持ちます。)
  • Err(why) ... これはオペレーションの失敗を意味します。whyをラップしており、ここには失敗した理由が(必ずではありませんが)書かれています。(whyの型はEです。)
mod checked { // 補足対象としたい、数学的な「エラー」 #[derive(Debug)] pub enum MathError { DivisionByZero, NegativeLogarithm, NegativeSquareRoot, } pub type MathResult = Result<f64, MathError>; pub fn div(x: f64, y: f64) -> MathResult { if y == 0.0 { // 分母が0なので、このオペレーションは普通に行えば失敗する。 // 代わりに`Err`でラップされた失敗の理由を返そう。 Err(MathError::DivisionByZero) } else { // このオペレーションは問題がないので、結果を`Ok`でラップして返そう。 Ok(x / y) } } pub fn sqrt(x: f64) -> MathResult { if x < 0.0 { Err(MathError::NegativeSquareRoot) } else { Ok(x.sqrt()) } } pub fn ln(x: f64) -> MathResult { if x < 0.0 { Err(MathError::NegativeLogarithm) } else { Ok(x.ln()) } } } // `op(x, y)` === `sqrt(ln(x / y))` fn op(x: f64, y: f64) -> f64 { // 3段階の`match`ピラミッド! match checked::div(x, y) { Err(why) => panic!("{:?}", why), Ok(ratio) => match checked::ln(ratio) { Err(why) => panic!("{:?}", why), Ok(ln) => match checked::sqrt(ln) { Err(why) => panic!("{:?}", why), Ok(sqrt) => sqrt, }, }, } } fn main() { // これは失敗するだろうか? println!("{}", op(1.0, 10.0)); }